先輩を極寒の部屋で寝かせてしまったことで、思いっきり高熱を出した先輩。そしてそのウイルスをきっちり貰ってしまった私。特大ブーメランである。
そしてまだ喉の違和感レベルだった日に、私は医療従事者が2名もいる実家に帰ってしまった。
「飴を連続でずっと舐め続けよ」
そう命じる看護師である母の教え通り、私は今も飴を舐めている。もう身体は糖分の塊であるそれを拒絶しているが、なんせ喉が痛いし母は偉大だ。私は寝ている間も飴を舐め続けていた。
そういえば、昨日、事件が起こった。
痰を出そうとトイレで「かーーーー、ぺっ!」とおっさんがよくやるアレをやろうと試みたのだが、うまくいかない。3回ぐらい繰り返したところで、粘度の高い痰が喉にへばりついた。
「うぐ...うう!おえええええええええ」
痰を吐こうとするも出てこない。息ができない。焦った私は吐きそうな声を出していた。
「大丈夫まっきんちゃん!?死にそうwwww」
焦りながらもちょっと笑っている母。
(まじで死ぬ)
そう思った私は、トイレのドアを叩きながら母に訴えた。
「ママ”...たずけで....!!!」ドンドンドン!ドンドン!
「よしわかった!水を飲みなさい!!」
さすがは看護師である。
すぐさま対処法が浮かび、すごい速さで水を持ってきてくれた。
え、でもちょっとまって、それ、柔軟剤のキャップじゃない?
柔軟剤のキャップらしきものを渡された私は、すぐさま水を飲もうとするが、その底面には水が、、水が残っていない!
それもそのはず、そのキャップの底にはデザイン上、複数の穴が空いていた。
床を見ると私に飲んでもらえなかった水達が。
軽くパニックになっていた私だが、コントみたいな状態に笑ってしまい、ジェスチャーで(なんもない!!)と伝えながら、洗面所で唾を吐きまくる。(ここでもまだ痰を出そうと頑張っていた)
「水ないの!?あははははははははははははwwwwwwとりあえず水飲み!!!」と母。強い、強すぎる。娘の非常事態にも笑っている。
私も半笑いのまま、洗面所で手で水をすくいながら口に入れる。
ここで、ようやく
「水飲みなさい」
という母の言葉が理解できた。
そこで、やっと私も水を飲み込むことができた。それまでずっと唾を吐いたり、うがいをしたりと、違う行動をしていた。軽くパニックになっている時は、言われた通りのことができなくなるのか?
水を飲んだ途端に、楽になった。
痰が下に下がり、息ができるようになった。
ふと母をみると
「着替え!」と、替えのパジャマを置いてくれていた。
さっきの一瞬で母が言ったこと
・「水飲め」
・「うがいしろ」
・「鼻うがいしろ」
・「フリースから綿のパジャマに着替えよ」
すごい、看護師だからか?
咄嗟の時の知識量と行動スピードが半端ない。
でも水思いっきりこぼれてたし、私に言葉の意味が伝わったのは遅すぎたけど。
というか今も肺がしんどい。
どうなっちゃったの私。