わたしには彼氏がいる。4年間付き合っているが、まだきちんと自分の家に「彼氏」として紹介したことがない。
まぁ数回うちに来たことがあるが、どれも「友達」ということで貫き通した。(もちろん親には彼氏だとバレていたが)
24のわたしでもそんな感じなのに、まだ中3の弟は、なんと美女を家に連れてきたのだ。
なんということ。自他共に認めるブラコンであるわたくし、仰天してしまいましたわ。
ブラコンじゃなくても、この年で堂々と女を連れてきた弟に仰天。
「こんにちは〜!!お邪魔します!!」
超元気でハキハキしたこの女の子、彼氏の家に来たというのに全く物怖じしていない。しかもかわいい。髪はコテできちんと巻かれており、ネイルも化粧もしている。わたしなんて、現在もすっぴんメガネで学校に行っているぐらいなのに。
一方、弟は...
四六時中ゲーム三昧。
首は下を向き、背中は曲がっていて、全てが適当男。
でもめちゃくちゃユーモアセンスはある。
そんな、クラスではどちらかというと日陰の方にいて、「知る人ぞ知る変わった面白い男の子」というイメージの弟が.........
こんな美人を連れてくるなんて!!
なんでだよ...
その子が帰ってから、私は問いただした。
「なんであんな可愛い子が、弟と付き合ってるの?」
なんという失礼な質問!わたしは弟のことが大好きだが別に顔はかっこいいとは思わないし、ニキビもたくさんある。
「わからんねん。なんか気に入られた。」
「なるほど。やっぱ面白いからかな。」
「いや、先生に怒られそうになった時にその子をかばったら、そこから気に入られた。」
「え?どゆこと?」
「廊下でその子に勉強を教えている時に、先生が来て、廊下で勉強するな、って怒られたんやけど、その時に僕が『僕が教えていただけなんで、この子は関係ないです』って言ってかばったら気に入られた」
「えー、めっちゃ優しいな」
うちの弟、そんなことも言えるんだ...
優しい...
そりゃ惚れるわ。
そんな感じでその子はうちの家に4、5回来たのだが、毎回弟の部屋で2人で喋っていた。
その日もいつも通り夕方に彼女が帰ったあと、なんの気なしに弟の部屋を開けた母は、絶句した。
なんと、そこには人体図鑑が広げられていたのだ。
(!?)
(カラダの図鑑....思春期の男女....)
(!)
(なにか....やらしいことをしていたに違いない!!)
ママスは激怒した。かの変態疑惑の弟に問いたださねばならぬ。
「ねぇ、あの子が帰ったあと、あなたの部屋に身体の図鑑が広げられてたけど、何してたの?」
かなりどストレートな聞き方である。これはもう弟も逃げられまい。
しかし、弟の返答は意外なものだった。
「ああ、あれか。僕の耳の病気の説明をしてただけやで。」
弟は小さい頃中耳炎をこじらして難聴になってしまい、人工の内耳をつけているのだが、そのことをきちんと絵を見せながら説明してたということらしい。
「....そうなのね。自分の病気のこともちゃんと彼女に説明して、えらい。見直した。ママ、勘違いしてたわ。」
思春期の男女だし、女や男のカラダを指差しあってじゃれついていたのでは?いう母の妄想は打ち消された。
そのように弟はエロス疑惑をひっくり返し、自分の評価を上げるということまでやってのけたのだ。
そしてこの「思春期暴走疑惑事件」から数ヶ月たった最近のこと。
弟は、元々家族で行くつもりだった花火大会に彼女も連れてきて一緒に行くという大胆な「Shall we (シャルウィ)花火?」もやってのけ、2人でいちゃついていた。
お姉ちゃん、目のやり場に困ったよ。うっうっ...
中学生にして私よりもませている弟。
高校生になったらどんな女の子を連れてくるのか楽しみだ。