まっきんのブログ

衝動高めの学生の【神戸街ブラ】【日常】【珍スポ巡り】

【兵庫県・おとめ塚温泉】3階建ての天然温泉に行ってきた

寂しいかな。地元を離れ、ついに神戸に引っ越してきてしまった。

というのも、実家から学校まで1時間半ぐらいかかるので不登校気味になっている私を見かねた両親が、「下宿してきい」と大盤振る舞いしてくれたのだ。

ありがとうお母さんお父さん。働いたら少しずつお小遣いを渡すので、今は下宿をお許しください。

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下宿が決まったはいいが、一人暮らしとなると急に寂しくなる。

今までいた実家は、毎夜のように母親の爆笑小噺を聴く機会があったり、弟と爆音でカラオケごっこをしたりと、常に賑やかな環境だった。

 

それがもう「咳をしてもひとり」である。

 

こうなると呼ぶしかない。

そう、彼を。

 

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私の先輩彼氏

 

「店いっぱいあっていいとこやな。ほいじゃ、いきますか」

 

彼と落ち合ってまず新居である私ンチにいき、一緒に筑前煮を食べたあと、前日から行く約束をしていたある場所に向かった。

 

住宅街をてくてく歩いて行くと、「ゆ」と書かれた赤い看板がみえた。

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「あそこや!」

 

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それは....「六甲 おとめ塚温泉」

 

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中には結構人がおり、食堂もある。

街中の銭湯で食堂もあるのはなかなか珍しい。

 

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大人450円、洗髪0円。

洗髪ってなんだ...?
お風呂には入らないけど髪だけ洗うのか?

謎だ。

 

彼と私はオプションのサウナなしなので450円。先輩はシャンプーとリンスを忘れたので、それも付けて570円。

「じゃ、先輩またあとで」

「おん」

と言って彼はサウナ行きのドアに手をかけた。

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すると番台のお姉さんが

「あ、こちらです...」とおずおずと男湯の方を指し示した。

先輩は「あ、」という顔をして慌てて男湯のドアを開けて中へ入っていった。

 

ちなみに彼は、前回一緒に行った銭湯でも女湯のドアに手をかけていたところ、番台のおじさんに「お客さん、こっち」と男湯を指さされていた。

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犯罪スレスレを狙っていく強気の彼。次は一発で男湯に入れるのだろうか。

 

お風呂の中はどうなんだい!

早速お風呂に入ると、まず1階にはお湯もシャワーヘッドに何もなく、2階へと続く階段があるのみ。

2階へ着くと、まだ階段があるためさらに上へと登ることに。

3階には、内湯の他に露天風呂があった。

露天風呂好きの私はすぐに飛び込み...たいところだったが、まだ奥に2つドアがあるのに気づいた。

 

(え...?まだ風呂あるん?)

 

好奇心に駆られてしまい、戸惑いもありながらもドアの方に向かって歩く。

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右も左もお湯に浸かる人たち。

みんな私の方を見ている気がする。

 

もしかしてスタッフルームだったらどうしよう。裸の私と掃除のおばちゃん。

 

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2人が驚いた顔で見つめ合うイメージがついたところで、誰かに確認したい気持ちになった。

 

ちらっと横を見ると、常連っぽい70代ぐらいのお婆さんと目があった。

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「あ、このドア、先にお風呂ありますか?」

ドアを指差しながら肩までお湯に浸かったおばあちゃんに尋ねる。

 

隣の浴槽にいる中学生たちがこれまでワイワイ喋ったいたのに、急に静かになった。

そう、若い女が急にお婆さんに喋りかけたという、非日常的な場面にその場にいた誰もが一瞬固まったのである。

 

するとおばあちゃんは黙ったまま、首を横に振った。

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うん、....まさかの喋らないスタイル。

沐浴...ならぬ黙浴だもんね、いま。うん、たしかに。

それとも何か話すと、この怪しい女と知り合いに見られるというリスクを全力で避けた故の無言ジェスチャーなのか?

 

とにかく、今ここで1人で喋っている女は私だけである。裸で浴槽なきドアに向かおうとしている、挙動不審な女と共犯関係になってくれるものはいないことが判明した。

 

「あ、違いますよね!あはは....ありがとうございます!」

行き先をなくした私は、穴があったら入りたい!と思ったが、穴なんてない。代わりにあるのは浴槽だけ。

団体の中学生に遠慮しながらおずおずと浴槽に入り、お風呂の隅っこで体育座りをした。

 

視線を上げると、小さな夜空があった。

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ああ、ここ外なんだ。気づかなかったな。

そこまでの開放感はないにしても、外は外である。今いるところは街中なのに、露天風呂に入っている自分が新鮮だった。

 

しばらく空を仰いでたそがれていると、先ほどお世話になったお婆さんが水風呂から私の入っている浴槽に入ってきて、私の隣に腰を下ろした。

 

(さっきのおばあちゃんだよね...?喋った方が....いいのか?)

 

私はそのとき、雨の降る日に猫バスを待っているメイとサツキの横に、トトロが佇んでいたシーンを思い出した。

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そのまま喋る隙を与えながらも様子を窺っていると、同じ浴槽内にいた中学生がわらわらと風呂から上がり、おばあちゃんは広くなった浴槽の方へ移動していった。

 

(あ、場所が空いてなかったからうちの隣にきただけか...)

自意識過剰な自分に笑いそうになりながら、のぼせてきたので湯船からあがった。

 

次は、2階へいこう。

 

階段を降りると、シャワーヘッドがいくつか並んでいるブースがあり、そのすぐ近くにジェットバスの湯があった。

わ、ジェットバスじゃん。ラブホを彷彿とさせるね。などと馬鹿なことを考えていた私だったがーーー

 

そこには先ほど露天風呂にいた中学生ぐらいの女子たちがいた。

みんなジェットバスの湯内を好きなように歩き回っており、よく日に焼けた健康的な肌が眩しかった。

ここで正直、(なんか....人が多くて入りづれぇー)とは思ったもののここは450円を払った身。

(全部の湯に浸かってやる....)と思い直した。

団体の中学生に屈することなく、ジェットバスに足を入れると、床は足ツボになっており、少し気持ち良い。個人的にはもっと痛くてもいいぐらいだけれど、中学生も入るぐらいだからこれぐらいでいいのだろう。

しばらく肩までたっぷり浸かり、ジェットバスを楽しんだ。

 

(あっつい....)

のぼせて温泉でぶっ倒れたという母の友人の話が頭をよぎった。

(オッケー、ジェットバス。もういい)

ここは我慢比べをする場ではない。

もう出よう。

私は温泉にきて体感10分ぐらいしか経ってないことに気づいてはいたが、もったいないという気持ちよりも脱水で倒れることの恐怖が勝ち、シャバに戻った。

 

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変わった形のネオンサイン。

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そう、看板にもあるように、ここは天然温泉である。

帰り際、先輩が「街中に温泉って珍しいなー」と言うまで私は気づかなかったが、れっきとした天然温泉だそう。

 

あんなに堂々と「天然温泉」と書いてあったのに、普通の銭湯と同じ感覚で入っていた。

 

 

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堂々と書かれてある「天然温泉」という文字

 

平日は学生が340円で、平日22時以降は大人でも390円ってホームページに書いてあった。

もしそれが本当ならかなりお得ではなかろうか!?

あ、リンスとシャンプー、石鹸は持参で!

あと露天風呂の奥にあるドアは入っちゃいけないよ!